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2006年勉強会報告

当教室ではレッスンの一環として、ステージの経験を積んでもらうことを目的に、年に数回の勉強会を定期的に開催しています。 小規模な会場で、普段のレッスンで取り組んでいる曲を中心に自由なプログラムで発表することができます。ステージマナーや聴衆としてのマナーも一緒に学んでいただきます。

以下では、当日のプログラムとレッスンのポイントを報告いたします。

 

2006年第3回勉強会・ホールレッスン(10月28日)

2006年第3回勉強会

2006年第3回勉強会は今年2回目のホールレッスンで、今回の参加者は大人のクラスの方ばかりでしたので、落ち着いた雰囲気の中でのレッスンになりました。広いホールと大きなフルコンサートグランドピアノを使用してのレッスンは参加者本人が弾くことはもちろん良い経験になりますが、他の方の演奏やレッスンを見学できる機会でもあります。公開レッスンは普段の個人レッスンにはない刺激があります。

   

2006年第3回勉強会2006年第3回勉強会2006年第3回勉強会

1.プログラム
☆マークは連弾曲です。

No.   学年(性別) 曲名 作曲家
1. 中1(女) ピアノ・ソナタ 第5番 op.10-1 第1楽章 L.V.ベートーヴェン
2. 大人(女) ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」op.13 第3楽章 L.V.ベートーヴェン
3. 大人(男) 即興曲 第1番 op.29-1 F.F.ショパン
4. 大人(女) ユーゲントアルバム op.68-38 「冬」 R.シューマン
5. 大人(男) ピアノ・ソナタ 第12番 K332 第1楽章 W.A.モーツァルト
6. 大人(女) インヴェンション 第4番 BWV775 J.S.バッハ
カルメンより「ハバネラ」 G.ビゼー
7. 大人(男) スケルツォ 第1番 op.20 F.F.ショパン
8. 大人(男) ピアノ・ソナタ 第12番 K332 第3楽章 W.A.モーツァルト
ポロネーズ 第1番 op.26-1 F.F.ショパン
9. 大人(女) バラード 第1番 op.23 F.F.ショパン
10. 大人(女) ノクターン 第2番 op.9-2 F.F.ショパン
愛の夢 3つのノクターン S541 第3番 F.リスト
11. 大人(女) アルプスの夕ばえ op.193 T.オースティン
☆12. 大人(女)、
大人(女)
カノン J.パッヘルベル
13. 大人(女) ラプソディー 第2番 op.79-2 J.ブラームス

2.レッスンのポイント

演奏会やコンクールなど、本番の演奏はコンサートホールでフルコンサートグランドピアノにより行われることがほとんどです。ホールの響きとフルコンサートグランドピアノの特徴を理解し、最も効果的な演奏はどのようにして行われるのか考えていくことが大切です。以下、今回のレッスンのポイントをまとめました(前回ホールレッスンのポイントも含みます)。

1)ホールの響きの特徴

ホールは、家やレッスン室とは全く異なる響き方をします。ホールの音は基本的に楽器からの直接音と反響版や天井、壁などの反響による間接音で構成されます。ホールで演奏する際は、ホール自体も楽器の一部と捉えて演奏を考える必要があります。また、演奏者が聴く音と客席で聴衆が聴く音には差異があります。また、厳密には客席の位置によっても響きは違いますし、客数によっても響きは変わってきます。演奏者は様々な条件を考慮した上で、今自分が弾いている音が客席でどのように響いているのか常に意識して演奏しなければなりません。

特に演奏で注意が必要なのはペダルの使い方です。家で弾いていた場合にはちょうど良いと思っていても、よく響くホールではペダルの踏みすぎで音の輪郭がぼやけたり音が濁ってしまったりすることがあります。

2)フルコンサートグランドピアノの特徴

今回レッスンで使用したピアノは、ヤマハCFVS。 世界の一流演奏家のコンサートや国際コンクール等でも使用される高い演奏性能を誇るピアノですが、その特徴をしっかり理解して扱わないとかえって演奏を損なうことにもなりかねません。

一般的にフルコンサートグランドピアノでは中〜低音域の音が出やすくなりますので、旋律を主に受け持つ右手の高音域の音とのバランスに注意する必要があります。

3)各生徒に共通する問題点

  • 高音部と低音部(右手と左手)の音のバランスバランスが悪い。
    • 右手のメロディーラインの音が弱い(特に4、5指)。
    • 左手の伴奏部が出過ぎる。
  • ペダルを踏む箇所で濁ることがある。
    • ホールの響きを考慮して踏み方を工夫する必要がある。
    • ハーフペダルや1/4ペダルなどを考える。

4)参加者の感想(抜粋)

  • ピアノ(フルコンサートグランドピアノ)がとても弾きやすかった。(大人/男)
  • ピアノのタッチが軽く感じた。(大人/男)
  • 他の人の演奏を聴いていて全然音が鳴っていないように感じた。舞台で自分が聴いている音と客席で聴いている音には大分違いがあるように思った。(大人/女)
  • 服装(くつ)のことを考えていませんでした。本番では運動靴ではなく革靴のような硬いものなので、そういうこともちゃんと考えて勉強会に望まなくちゃと感じました。(中1/女)
  • 自分では弱く弾いていると思ったのにホールで弾くと強い音と弱い音の違いがハッキリしていなくて、平凡な曲になってしまいました。ペダルは少し長い所があり音がにごってしまいました。(中1/女)
  • テンポがかなり速くなってしまいました。緊張するので場数を増やして舞台に慣れていきたいと思います。(大人/男)
  • みなさん、こまかい事まできちんと注意して、丁寧に練習しているのだと思いました。手の形がきれいだったので自分も注意しようと思います。(大人/女)

5)まとめ

ほとんどのピアノ学習者にとって、ホールやフルコンサートグランドピアノで練習する機会は滅多にありません。ところが、本番で良い演奏をするためには、ホールやフルコンサートグランドピアノの特徴を熟知した上で演奏をコントロールすることが求められます。家やレッスン室で弾く場合でも常にホールやフルコンサートグランドピアノで演奏することを想定して表現をつくっていくことが必要です。
ホールレッスンは今年2回目で、今回の参加者は大人の方がほとんどで、レッスンでホールの環境に適応していくにしたがって演奏が変わっていき、自分で色々なことに気づくきっかけになったことと思います。また、公開レッスン形式のため、他の生徒のレッスンから学ぶことも多かったことと思います。ホールレッスンは今後も定期的に開催していく予定です。

今回の所感として、旋律のラインが十分に聴こえてこない方が目立ちました。高音と低音のバランスに苦労しているようでした。また、ペダルの効果がレッスン室とホールではかなり異なってくるので、その辺りも考慮していく必要があるように感じました。ホールでの響きを理解するために、他の方のレッスン中に座る位置を変えて響きの違いを確認してみるのも良いと思います。
いつもレッスンでは、それぞれの方が自分の音楽を大事に育てているのだと感じております。長い音楽の道程では様々な経験を重ねていくことが大きな力となっていくと思いますので、今回のホールレッスンもその一つになればと願っています。また、発表会を来年1月に控えていますので、今回学んだことを生かせるように一緒にがんばっていきたいと思います。



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