音楽にセンスは必要?

何をやるにも、センスや素質の有無は大事と言われますね。

同じことをやってもセンスのある人は上達が早く、ない人はなかなか上達しない・・「下手の横好き」などと言われて、ああ、人はなんでもできるってわけじゃないんだな、としょんぼりしてしまうこともあります。

音楽など、アートの世界はセンスの有無が顕著にあらわれる分野だと一般的に思われています。センス!と一言で言ってしまいますが、具体的にどういう能力が求められるのでしょうか?

まず、「音感」。

音感の中に含まれるものとして、絶対音感とか相対音感というような、音の高さが合っているかどうか分かる能力があります。これが全くないと音痴と言われてしまいます。

音高に対する感覚は、訓練で鍛えることができます。小さいころから音楽をやっていた人で、音痴という人はあまりいない気がします。特にバイオリンやチェロのような、自分で音の高さを作らなくてはならない楽器をやっていると、音高への感覚は研ぎ澄まされていきます。

あとは、音の長さや強弱にたいする感覚も音感のうちに入りますが、これも、もともといい人、悪い人、癖がある人、色々いますが、同じように練習で身につけることができます。

自分だけで楽器を練習していても、なかなか分かりにくいものなので、先生について、客観的な目で自分の演奏を聞いてもらって、どこが悪いかアドバイスしてもらうと、上達の効率は格段に良くなります。東京にはたくさんの音楽教室などがあるので、調べて、話を聞きに行ってみるといいかもしれません。

音感のほか、大事なものにリズム感もあります。付点音符や、シンコペーションなど、いろいろなリズムがありますが、つんのめったり遅れたりせずに、正確に弾けなくてはなりません。

リズム感のほかに、メトロノームなどがなくても一定のテンポをキープできる、テンポ感も重要です。リズム感やテンポ感も音感と同じように、練習すればだんだん身についてくるものです。

音楽はなによりも楽しむことが大切です。自分で、あるいは仲間と一緒に練習して、うまく演奏できるようになり、聴いている人を喜ばすことができたら、その楽しみは格別なものとなるでしょう。練習しているとき、なかなかうまくできなくて、落ち込んでしまうこともありますが、音楽が心から好きだ、という気持ちがあれば、乗り越えることができるでしょう。

東京の雑多なライブハウスなどで、歌としては上手いのか下手なのか分からないけど、とにかく好きで楽しくてしかたなくてやってるんだなというのが伝わってきて、こちらまでパワーをもらえるという人たちがいます。

センス云々よりも、まずは好きで、興味があったらやってみる!ぐらいの気持ちで、気楽に始めてみるといいかもしれません。

当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」

音楽教育のススメ(幻冬舎)