ヴァイオリンの上達方法について

独学よりもプロの指導を

ヴァイオリンは数ある楽器の中でも特に歴史が古く、高貴な雰囲気と優雅な音色が魅力です。マスターするのが難しいとされる楽器としても有名であり、子どものうちから習っていないと上達できないと思われている方もいらっしゃいます。

しかし、決してそのようなことはありません。プロ志望であればともかく、趣味としての演奏であれば、大人になってから始めても地道に練習を重ねれば人前で十分通用するほどの音色を奏でられるようになります。

大人を対象としたヴァイオリン教室が数多く存在するのは、その証でもあります。上達を望むのであれば、独学よりもそういった教室でプロの指導を受けるのが確実な方法です。

ヴァイオリンでプロの指導を受けた方が良い理由としては、演奏する際の癖をなくすことができるという点が第一に挙げられます。独学で楽器を演奏できるようになった方の場合、大部分に独自の癖が見られます。正しい姿勢が身に付いておらず、そのような状態で美しい音を奏でることができる人は少ないです。

こうなっては、せっかくの音色も素直に受け入れられなくなりますので、プロの指導を受けて基礎を身に付けておくことは楽器を学ぶ上で重要なポイントになります。また、ヴァイオリンは様々な演奏方法を駆使する必要があり、実際にプロの方のお手本を見ながら習うことが不可欠です。

プロのヴァイオリン指導を受けた方が良いもう一つの理由としては、生徒に適した教本や練習曲を用いながら、最も的確な指導を受けることができるという点があります。教室で指導に当たる先生は、楽器演奏だけでなく教える技術にも長けています。生徒の性格や適性を見抜きつつ、最も適した方法で指導してもらえるのも教室に通うメリットです。

演奏するための姿勢

ヴァイオリン上達のためには、正しい姿勢が基本となります。正しい姿勢ができていないと体が安定しないばかりか、肩凝りや腰痛等の原因になることもあります。

まず、演奏する際には、両足を肩幅程度に広げます。この時、両足のつま先は若干外側に向け、左足に重心がかかるようにします。休めのような体勢をイメージし、右を少しだけ外側に突き出すようにするのがポイントです。

ヴァイオリンの構え方については、左顎と左肩甲骨の少し下辺りで挟むのが基本ですが、顎で強く押し付けないよう、軽く挟むようにします。正しい構えを身に付けるための方法としては、ヴァイオリンを挟んだ後、左手で軽く添えて感覚をつかみます。構えの姿勢をとったら、鏡で自分の姿をチェックします。

この作業をすることで、首や腰が曲がっていないか、ヴァイオリンが傾き過ぎていないかを客観的に見ることができます。

ヴァイオリンを演奏する際の正しい姿勢が身に付いたら、次に覚えるのが弓の持ち方についてです。弓の正しい持ち方を修得せずして、美しい音色を奏でることはできません。

つまり、弓を正しく持つことは、上達のために必要不可欠な条件となります。まずは、何も持たずに右手の力を抜き、だらりと垂らしてみます。その状態で親指の第一関節を軽く曲げ、中指の第一関節に寄せます。

これに慣れたら、次は鉛筆など軽い棒状のものを親指と中指の間に挟んで練習します。ポイントは、親指を曲げる際に他の指に力が入らないようにすることです。鉛筆などでも自然と持てるようになったら弓でも同じように練習しますが、最初のうちは左手で軽く支えて持つ方法をとるのがお勧めです。

段階を踏んで練習していくことが大切

正しい姿勢と弓の構え方を覚えたら、いよいよ演奏に入ります。ヴァイオリンの初心者が最初に習う内容として、開放弦があります。開放弦とは、弦を指で押さえなくても出る音のことです。弦を押さえて奏でられる音とは音色が違うことから、回避されることもあれば意図的に利用されることもあります。

ヴァイオリンの場合、通常の演奏においては押さえる指の置き方で音色に変化が生じますが、開放弦ではそれがないため一連の演奏の中で異質な音となり、ビブラートを利かせることもできません。しかし、開放弦だからこそ可能となる音もあります。ヴァイオリンの初心者は基本となる開放弦をうまく奏でられないことには、他の音もうまく出せません。

初心者の場合は、ボウイングと言って、弓をどのように動かすかを覚える必要があります。最初は開放弦を指で弾くようにして音を出していき、その感覚に慣れてから実際に弓を使った演奏に入るという方法をとることが多くなっています。

1つの弦のみのヴァイオリン練習曲もありますが、そういった曲をマスターしたら、次は2、3個の音でできた短い曲から練習していきます。教室に通っていれば進度に応じた楽譜で進めていくことができますが、それだけで物足りない方は楽器店に行けばヴァイオリンのための様々な練習曲の楽譜集を見つけることができます。

上達の早さは人それぞれですし、近道もありません。焦らず地道に練習を積み重ね、定期的に先生や周囲の人に聞いてもらって悪い癖がないか確認してもらうことが大切となります。

当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」

音楽教育のススメ(幻冬舎)