絶対音感を身につける練習方法

音符の写真

絶対音感と相対音感はどう違うのか

音の高低差の違いや音を聞き取る力を音感と言い、絶対音感と相対音感の2種類があります。
絶対音感は音を聞くだけで音名が分かり、ピアノの黒鍵も含め、すべての音名を無作為に言い当てられます。
曲を聴きながら頭の中にドレミの音名が浮かび、シャープなど半音のわずかな違いも正確に聞き取れるとされています。
また、楽器以外であっても、チャイムやアラーム音など、生活の中で聞こえる音を音名にして聞き取ることもできます。
音楽を聴くだけで演奏を再現したり、楽譜に起こしたりすることも可能です。
演奏の再現は、ほとんどの方が演奏の訓練をすればある程度身につけられますが、絶対音感があることにより、より楽にできてしまいます。

相対音感は基準になる音と比べて、音を聞き分ける能力です。
最初にドの音を聞き、続いて聞こえる音の高低差を判断し、その音名を判別することができます。
絶対音感とセットで備わっているかというと、必ずしもそうとは限りません。
どちらも備えている場合、片方だけ持っている場合、どちらもない場合があり、能力は人によっていろいろです。

相対音感が身についていれば、楽器や歌を練習していくことで音を正しく聞き取れます。
曲を聴いて同じように演奏したり、歌ったりする能力を身につけることも可能です。
音感の能力を身につけると楽器を習得する際の手助けになり、将来、音楽活動や演奏家などの仕事に就く場合に役立ちます。
絶対音感を身につけることができれば、理解が早く繊細な音色の違いを表現することができます。
歌や声楽、作曲の道を目指す際にも音を正確に捉える力は有効なツールになります。

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絶対音感は幼少期に習得するのがベスト

アメリカで行われたかつての研究調査によると、生まれながらにして絶対音感があるとみられる方は20万人に1人で、今でも人口の1%以下と大変珍しい、特別な能力だとされています。
近年は訓練を積み重ねていくことで習得可能であると分かり、先天的な才能であるという見方は無くなりつつあります。
諸外国に比べて日本は幼少期のピアノ教育が盛んで、訓練を受ける子どもの割合が高いため、多くの子どもが身につける傾向にあります。

しかしながら、誰もが簡単に身につけることができるわけではなく、聴力が発達する6歳までの幼少期に音を聞き取る訓練を受けることが重要です。
しかも、できるだけ年齢が低いうちに始めた方が、習得率が上がります。
難しいことをしていくのではなく、音楽に親しんだり、楽器に触れたりする機会を多く用意してあげることで、自然と身についていくようになります。
楽器でおすすめなのはピアノです。
ピアノを弾くことで、耳から正しい音を覚えられるためです。

音楽教室には、専門のプログラムによる訓練を行っているところがあります。
単音や和音の聞き取り練習がよく知られており、個人差はありますが、短い期間で習得してしまう子どももいます。
音楽教室や専門プログラムで訓練を受けた後は、自宅にてしっかりと自主練習することも大切です。
個人レッスンで練習状況をチェックし、サポートを行ってくれるところもあります。
自分の子どもに身につけさせたいときは、このようなところに通わせてあげましょう。
幼少期を過ぎている場合、絶対音感は習得が難しくなりますが、相対音感を養うことはできます。

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大人になっても習得できるものなのか

6歳までに絶対音感を習得する訓練を受けていないにもかかわらず、まれに大人になって身につけることができたという例もあります。
ところが、実はもともと持っていて、大人になって気が付いたケース、または、実は相対音感を持っているにもかかわらず勘違いしているケースも多いです。
曲のはじめの部分を聞いて音が分かるのは相対音感で、フレーズの1音だけで音を聞き分けることができるのが絶対音感です。

幼少期を過ぎると、能力を身につけることは絶対に不可能という根拠は証明されていません。
大人になってからも楽器の音を聞いて、音を聞き分ける程度の能力を養うことはできるとされます。
自分で訓練を行う場合は旋律や和音を聞き分ける聴音を行うと効果があります。
聴音は本やCDなどの教材を使って、音やリズムを聴きながら行います。
大人向けにプログラムを用意して訓練を行っている音楽教室やスクールを見つけることは難しいので、自分で訓練していくようになります。

絶対音感は音楽の才能を育て、演奏家や作曲家になる可能性を高めてくれますが、一流の音楽家に必ずしも必要な能力というわけではありません。
音楽の学習のためには、幼少期を過ぎて身につける相対音感も重要です。
音感に頼らず、楽譜を正しく読み、リズムや音を楽譜の通りに奏でられるソルフェージュの能力も大変必要になります。
相対音感は、誰でも多かれ少なかれ能力を持っています。
そのため、音楽教室やスクールに通い、楽器を演奏したり、歌を歌ったりすることにより、大人であっても鍛えることは可能です。

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