ヴァイオリンには高価な楽器のイメージがありますが、習い始めるために高級な楽器を用意する必要はありません。数万円程度の楽器から始められる選択肢があり、購入せずにレンタルで始める方法もあります。実際の費用は、主に「楽器を用意する費用」「維持する費用」「レッスン料」の三つに分けて考えると整理しやすくなります。この記事では、その三つを条件を示しながら整理し、ピアノとの違いも、どちらが得かではなく何が違うかという形で扱います。
ストラディヴァリのような著名な銘器は、プロの演奏家が使う楽器として知られています。ただ、そうした銘器には、個人で購入する以外の仕組みもあります。公益財団法人笹川音楽財団では、1994年から楽器貸与事業を行っています。保有するストラディヴァリなどの弦楽器を、若手有望演奏家や国際的に活躍する演奏家へ国籍を問わず無償で貸与する事業です。同財団は、こうした名器を保全しながら演奏家へ貸与し、次の世代へ引き継ぐ事業として位置づけています。
一方、これから習い始める方の楽器は、まったく別の話です。小林音楽教室では、入門時の楽器について、数万円程度のものから始めることも可能と案内しています。購入以外に、月額数千円から利用できるレンタルサービスも取り扱っています。
つまり、著名な銘器の世界と、これからヴァイオリンを習い始めるときの楽器の費用は、分けて考える必要があります。
ヴァイオリンは価格帯の幅が大きい楽器ですが、習い始めるために高額な楽器が必須というわけではありません。楽器の購入をご希望の方には、当教室では提携楽器店をご案内しています。ご予算とご要望に応じた選び方を相談できます。楽器本体のほかに弓やケース、肩当てなどの付属品も要りますので、総額で見ておくと後で慌てません。
購入のほかに、月額数千円から利用できるレンタルサービスの取り扱いもあります。続けられるかどうかを見てから購入を考える、という順序をとることもできます。
子どもは身体の大きさに合った分数楽器を使用し、成長に応じてサイズを変えていきます。購入するかレンタルを利用するかも含め、分数楽器の選び方については子ども・幼児のヴァイオリン教室|何歳から始める?選び方と分数楽器のことで詳しく解説しています。
楽器を手にしたあとにかかるのが維持費です。ヴァイオリンでは、弦の交換、弓の毛替え、本体の調整などがあります。いずれも消耗や状態に応じて行うもので、頻度は練習量や楽器によって変わります。時期の目安は一律に決められないため、レッスンの中で講師に相談しながら判断していくのが確かです。当教室では、こうした定期メンテナンスについても提携楽器店をご案内しています。
レッスン料を比較するときは、金額だけでなく、1回の時間、月の回数、個人・グループの別、発表の機会など、条件をそろえて見る必要があります。条件がそろっていない金額どうしを比べても、高い安いは判断できません。ヴァイオリンのクラスの内容はヴァイオリンのクラスでご確認いただけます。
大人になってから始める場合の考え方は、大人から始めるヴァイオリンもあわせてご覧ください。
「ピアノとどちらが安いか」と聞かれることがありますが、費用だけで一方を有利とすることはできません。条件を三つに分けて見てみます。
第一に、設置と練習環境です。アコースティックピアノは設置スペースが必要で、住環境によっては音への配慮も必要です。電子ピアノは音量を調整できます。一方、ヴァイオリンは持ち運びやすいものの、練習時には音が出るため、やはり住環境への配慮が必要です。練習できる時間帯や場所がどれだけ確保できるかは、どちらの楽器でも費用に関わる条件になります。
第二に、楽器の用意です。ピアノにはグランド、アップライト、電子ピアノなどの選択肢があり、ヴァイオリンにも購入とレンタルがあります。いずれも、選ぶ楽器によって費用は大きく変わります。ピアノの練習用楽器についても、当教室では提携楽器店をご案内しています。詳しくはピアノのクラスをご覧ください。
第三に、維持です。アコースティックピアノでは調律が必要になります。ヴァイオリンでは弦の交換、弓の毛替え、本体の調整などがあります。
どちらの楽器も、住環境と、どの楽器で始めるかによって、費用の見え方が変わります。
ヴァイオリンを習い始めるために、高級な楽器を用意する必要はありません。数万円程度の楽器から始める選択肢があり、レンタルという方法もあります。著名な銘器の世界と、習い始めの費用は分けて考えるのが確かです。
費用は、主に楽器を用意する費用・維持する費用・レッスン料の三つに分けて、条件をそろえて見ていくと整理できます。ピアノとの比較も、住環境と始める楽器によって答えが変わります。楽器のことも含めて、体験レッスンでご相談いただければと思います。
当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」