大人から始めるソルフェージュ|初心者の学び方・独学・レッスン

ソルフェージュを大人になってから、あるいは初心者から学び始めたいと考えている方に向けて、この記事では始め方と学習の進め方を整理します。大人の初心者でも、目的と現在の経験に応じて課題を選べば、基礎から取り組んでいくことができます。

なお、ソルフェージュそのものの内容や、それが演奏・歌唱にどうつながるのかは、ソルフェージュとは?主な学習内容と演奏・歌唱へのつながりで解説しています。この記事では、その先の「どう始め、どう進めるか」に絞ってお伝えします。

大人の初心者はソルフェージュをどう始めるか

ソルフェージュは、年齢や音楽経験に応じて課題を調整できるため、大人の初心者も基礎から取り組めます。ただし、学習の進み方や得意な内容は一人ひとり異なり、全員が同じ順序で進むわけではありません。

幼い頃からの音楽経験と関連が深い力もありますが、それを「早く始めた人との差」として捉える必要はありません。現在の課題を「聴く」「記憶する」「楽譜と結びつける」「声や楽器で再現する」といった段階に分ければ、大人からでも具体的な練習目標を設定できます。大人の学習では、目的や疑問を言葉で整理しながら、理論と実際の音を関連づけて学ぶ方法もあります。

目的によって最初に取り組む内容は変わる

ソルフェージュには幅広い学習内容がありますが、初心者が最初から全部に取り組む必要はありません。何のために学ぶのかによって、最初に取り組むとよい内容は変わります。

学ぶ目的最初に確認したい内容
楽器の演奏に生かしたい拍・リズム、楽譜と音の対応、短い初見課題
歌唱に生かしたい一つの音を合わせる、短い旋律をまねる、視唱
音を聴き取れるようになりたい高低・長短・同異の判断、短い旋律やリズムの記憶
楽典を学び直したい音名・音程・音階・調・和音を、実際の音と結びつける
受験・試験に備えたい志望先の課題、試験形式、制限時間を先に確認する

まずは自分の目的に近い内容から始め、慣れてきたら少しずつ範囲を広げていきます。楽譜を読むこと自体に不安がある場合は、楽譜の読み方もあわせて参考にしてください。ソルフェージュ全体でどのような内容を学ぶのかは、先に挙げた「ソルフェージュとは」の記事で確認できます。

独学とレッスンをどう使い分けるか

ソルフェージュの多くは、教材や録音、鍵盤、学習アプリなどを使って自主的に練習できます。ただし、誤答の傾向や、視唱の音程、リズムのずれ、理解の取り違えなどは、自分では気づきにくい場合があります。

独学とレッスンを二者択一で考える必要はありません。自宅で練習を重ね、必要な時点で指導者など第三者からフィードバックを受けることで、自分では気づきにくい誤りや課題を確認しやすくなります。どちらか一方に決めるより、両方を組み合わせて、自分の状況に合う形を選ぶとよいでしょう。

つまずいたときは、できない段階を分けて考える

ソルフェージュを学ぶなかでは、思うように進まないこともあります。そのとき大切なのは、「向いていない」と結論づけるのではなく、どの段階でつまずいているのかを分けて捉えることです。例えば「歌えない」といっても、音が聴き取れていないのか、聴き取れているが声で再現できないのかで、取り組む内容はまったく変わります。

起こっていること確認したい段階取り組みの例
二つの音が違うこと自体が分かりにくい聴き分ける高さの差が大きい二音から比べる
違いは分かるが、あとで同じ音を思い出せない記憶する一音・二音の短い課題で、覚えておく時間を短くする
聴けば分かるが、音名や楽譜と結びつかない名前・記譜と結びつける鍵盤・音名・五線を同時に確認する
音は分かるが、声で同じ高さを出しにくい声や楽器で再現する聴き取りの課題と発声の課題を分ける
音程は取れるが、拍やリズムがずれる時間を捉える拍とリズムを分け、歩行・手拍子・音読で確認する
練習課題ではできるが、曲のなかで使えない実際の音楽へ応用する学習中の曲から短い部分を取り出して練習する

このように段階を分けて捉えると、「歌えない=聴き取れていない」「楽譜が遅い=音楽の力が足りない」といった、大まかすぎる決めつけを避けられます。自分がどの段階で止まっているかが分かれば、次に取り組む練習も具体的になります。

初回レッスンの前に整理しておきたいこと

教室でレッスンを受ける場合、始める前に自分の状況を整理しておくと、指導者と課題を共有しやすくなります。次のような点を書き出しておくとよいでしょう。

  • 何のためにソルフェージュを学びたいか
  • 楽器や歌唱などのこれまでの経験
  • 楽譜をどこまで読めるか
  • 難しいと感じている課題
  • 自宅で確保できる練習時間
  • 受験などの期限があるか
  • 使っている教材や楽譜

これらを伝えられると、体験レッスンやその後の指導で、自分に合った課題から始めやすくなります。レッスンを利用する場合は、体験時に現在の経験と目的を伝え、実際にどのような課題から始めるのかを確認するとよいでしょう。

よくある質問

大人になってからソルフェージュを始めても学べますか?

学べます。年齢や経験に応じて課題を調整できるため、大人の初心者も基礎から取り組めます。進み方には個人差がありますが、現在の課題を段階に分ければ、具体的な練習目標を立てられます。

楽譜が読めなくても始められますか?

始められます。楽譜を読む力もソルフェージュの学習のなかで身についていきます。最初は歌う・聴く・拍を感じるといった活動から始められます。

独学とレッスンはどのように使い分けますか?

多くの内容は教材や録音、アプリなどで自主的に練習できます。一方、音程のずれや理解の取り違えは自分では気づきにくいため、自宅での練習に加えて、必要な時点で指導者に確認してもらう方法があります。

ピアノや鍵盤楽器は必要ですか?

歌唱・リズム・読譜・楽典などは、ピアノを持っていなくても取り組めます。ただし、音高や和音を確認する課題では、鍵盤楽器やアプリがあると便利です。伴奏付けや和声を実際の響きで確認する場合には、鍵盤を使う機会が多くなります。

まとめ

ソルフェージュを大人・初心者から始めるときに大切なのは、年齢で可否を決めることではなく、何のために学ぶのかを定め、今どの段階に課題があるかを確認することです。同じ練習を繰り返すだけでなく、何ができていて、どこで止まっているかを定期的に確かめ、練習の内容を調整しながら進めていきましょう。

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