教員採用試験のピアノ実技|受験先・校種・教科別の確認方法と準備

ピアノの練習風景

教員採用試験にピアノの実技があるかどうかは、全国で一律ではありません。受験先、校種、教科、選考区分、そして年度によって、実技の有無も内容も変わります。同じ自治体でも、小学校全科には実技がなく、中学校・高等学校の音楽科にのみ専門実技が課される、ということが起こります。

この記事では、特定の自治体の課題曲を紹介するのではなく、自分の受験区分について何を確認すればよいかと、ピアノ課題への準備の進め方を整理します。制度は毎年見直されるため、最終的には必ず、受験する年度・区分の公式な実施要項を確認してください。

この記事は、特定の自治体の最新の課題曲を案内するものではありません。実技の有無・課題・演奏条件は、受験先の教育委員会が公表する当該年度の実施要項・受験案内で必ずご確認ください。

教員採用試験にピアノ実技はあるのか

結論から言えば、すべての教員採用試験にピアノ実技があるわけではありません。音楽実技が課されるかどうかは、主に校種と教科(受験区分)によって決まります。

多くの自治体では、小学校全科の区分に音楽実技を設けていません。一方で、中学校・高等学校の音楽科を受験する場合には、ピアノを含む専門実技が課されることがあります。ただしこれも自治体によって異なり、実技の対象や内容は一律ではありません。

なお、選考の正式な名称も実施主体によって異なります。「公立学校教員採用候補者選考試験」「公立学校教員採用選考試験」など呼び方はさまざまで、全国共通の正式名称があるわけではありません。公式資料を探すときは、受験先の教育委員会が用いている名称で確認してください。

まず確認する4つの分類

音楽実技の要否と内容を正しく把握するには、次の4つに分けて確認すると整理しやすくなります。

確認分類具体的に見る項目主な確認先
① 自分の受験区分実施主体、年度、校種、教科、選考種別実施要項・受験案内
② 実技の有無と免除条件実技の対象者、特別選考による免除、実施日実施要項・試験日程
③ 課題と演奏条件弾き歌い、独奏、歌唱、リコーダー、指揮、暗譜、選曲範囲第2次試験の詳細・課題一覧
④ 当日の提出物・評価条件使用楽器、楽譜使用の可否、提出用楽譜、制限時間、評価観点詳細通知・受験票

実技に関する情報は、一次試験の要項だけでなく、合格後や二次試験の前に公表される詳細通知に記載されることも少なくありません。要項を一度読んで終わりにせず、その後の通知にも目を通してください。

校種・教科によって何が違うのか

小学校教諭(全科)

小学校の教員は、音楽を含む複数の教科を担当することがあります。しかし、授業で音楽を教えることと、採用選考でピアノ実技が課されることは別の問題です。実際に、小学校全科の区分では音楽実技を設けていない自治体が多く見られます。実技を課している場合でも、その内容は自治体によって異なります。選考でピアノや弾き歌いが必要かどうかは、必ず受験先の実施要項で確認してください。

中学校・高等学校の音楽科

中学校・高等学校の音楽科を受験する場合は、専門的な音楽実技が課されることがあります。ピアノ演奏や弾き歌いに加えて、歌唱、リコーダーなどの器楽、指揮といった複数の課題が組み合わされることもあります。求められる水準は小学校全科とは大きく異なります。

特別支援学校・特別選考

特別支援学校の受験や、現職者・社会人などを対象とした特別選考では、実技の要否や免除条件が一般選考と異なる場合があります。自分が該当する選考区分の条件を、個別に確認してください。

音楽実技で確認される課題の例

音楽実技として実施される課題には、次のようなものがあります。これらがすべて課されるわけではなく、受験区分によって組み合わせは異なります。

  • ピアノ独奏
  • ピアノ伴奏・弾き歌い
  • 歌唱・視唱
  • リコーダーなどの器楽
  • 指揮
  • その他の専門実技

ピアノに関わる課題としては、独奏と弾き歌いが代表的です。弾き歌いは、伴奏を弾きながら歌う課題で、教科書に掲載された共通教材から選ばれることもあります。指定曲か自由曲か、当日に指定されるか事前に発表されるかも、区分によって異なります。

要項を読むときの確認ポイント

実技が課されることが分かったら、次の点を要項や詳細通知で確認します。これらは自治体・区分によって設定が異なり、準備の進め方を左右します。

  • 曲の指定方法——指定曲か、自由曲か、当日指定か
  • 暗譜の要否——楽譜を見て演奏できるか、暗譜が必要か
  • 楽譜の扱い——演奏中に楽譜を見られるか、提出用の楽譜が必要か、必要なら部数はいくつか
  • 調・移調——原調か、移調が求められるか
  • 制限時間
  • 使用楽器——会場の楽器の種類が公表されているか
  • 評価観点——何が評価されるか

とくに楽譜の扱いは、一つの可否では整理できません。同じ試験でも、歌唱では楽譜を見てよい一方、ピアノ演奏は暗譜が求められ、さらに提出用の楽譜が必要、といった組み合わせがあり得ます。課題ごとに条件を確認してください。

準備の進め方

準備は、練習を始める前の確認から始まります。

  1. 公式の課題を確定する——受験先・年度・区分の要項と詳細通知から、課される課題と条件を正確に把握します
  2. 現在地を確認する——課題に対して、いま何ができて何ができないかを整理します
  3. 課題を分解する——弾くこと、歌うこと、読譜など、要素ごとに練習を組み立てます。ピアノの基礎練習の進め方もあわせてご覧ください
  4. 本番の形式で通す——暗譜や制限時間など、当日と同じ条件で通す練習を取り入れます

試験で使用する楽器や会場の条件が公表されている場合は、できるだけ近い条件で練習します。公表されていない場合も、鍵盤の重さや響きの異なる複数のピアノで弾く経験があると、本番の環境に対応しやすくなります。

弾き歌いは、伴奏を弾くことと歌うことを同時に行うため、それぞれを別に仕上げてから合わせると進めやすくなります。歌の練習については、保育士のピアノで扱っている弾き歌いの考え方も参考になります。

音楽教室でレッスンを受ける場合は、教員採用試験の準備であることと、受験する年度・受験先・校種・教科・課題を伝えると、必要な内容に絞った指導を受けやすくなります。目的を共有することで、限られた期間を効率よく使えます。

よくある質問

教員採用試験には必ずピアノの実技がありますか?

必ずあるわけではありません。音楽実技の有無は、校種と教科(受験区分)によって異なります。小学校全科では実技を設けていない自治体が多く、中学校・高等学校の音楽科では専門実技が課されることがあります。受験先の実施要項で確認してください。

ピアノ未経験の場合、何から始めればよいですか?

まず、自分の受験区分に音楽実技があるかどうかを要項で確認することが最初です。実技が課される場合は、課題と条件を把握したうえで、残された期間から準備の計画を立てます。未経験からどこまで仕上げられるかは条件によって異なるため、早い段階で現在地を確認することをおすすめします。

演奏中に楽譜を見られますか?提出用の楽譜は必要ですか?

これは自治体・区分によって異なります。演奏中に楽譜を見てよい場合もあれば、暗譜が求められる場合もあります。また、提出用の楽譜が必要で、部数まで指定されることもあります。課題ごとに、要項と詳細通知で確認してください。

小学校と中高音楽科では求められる水準が違いますか?

異なります。小学校全科では、そもそも音楽実技を課さない自治体が多く見られます。中学校・高等学校の音楽科では、ピアノを含む専門的な実技が課されることがあり、求められる水準も高くなります。

まとめ

教員採用試験のピアノ実技は、全国で一律ではありません。受験先、校種、教科、選考区分、年度によって、有無も内容も変わります。とくに、小学校教員が音楽を担当することと、採用選考でピアノ実技が課されることは別の問題です。

大切なのは、特定の情報を暗記することではなく、自分の受験区分について、公式な実施要項と詳細通知から必要な情報に正しくたどり着くことです。課題と条件を確定できれば、準備は具体的に進められます。

当教室では、保育士・幼稚園教諭・教員採用試験の対策に対応しています。目的や受験区分に応じた準備について、教員採用試験・保育士試験の対策レッスンのページもあわせてご覧ください。

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