フルートの種類と特徴について

管楽器に分類されるフルート

楽器にはさまざまな種類がありますが、フルートは管楽器に分類されます。明るく軽やかな音色に特徴のある楽器ですが、サイズや素材には複数のバリエーションがあります。

それぞれのタイプによって音域や音色も異なるので、この楽器を購入する際は事前に情報収集をした上で、各々の適性やニーズ、希望条件に合ったものを選びましょう。この楽器の種類やそれぞれの特徴について理解を深めるためには、タイプの異なる複数の楽器によって構成されるアンサンブルを聴いてみるのもおすすめの方法です。

まず、私たちにとって最も馴染みのあるものはコンサートフルートと言われるタイプで、こちらは代表的な管楽器の一つに数えられ、年齢を問わずたくさんの人たちに親しまれています。

フルートの中でサイズの最も小さいものは、ピッコロと呼ばれる楽器になります。この楽器の名称は、イタリア語で小さいという意味を表すpiccoloという言葉に由来しています。ピッコロは可愛らしい音色が特徴で、まるで小鳥が鳴いているような音色で聴く人を魅了します。

テンポのいい場面で使われることが多いのもピッコロの特徴と言えます。オーケストラにもよりますが、一般的にフルートとピッコロの二つを一人の演奏者が担当します。

ソプラノフルートという楽器もあります。ただし、この楽器は指定されている曲がそれほど多くないため、最近は独奏として演奏される以外で使われることが少なくなってきました。

楽器の分類とそれぞれのタイプの特徴

コンサートフルートは元来、素材として木材を使用したものが主流となっていましたが、ピッチの安定性や合奏への適性を向上させるため、19世紀に金属製のものが考案されました。

こちらは現代に至るまで、当時とほぼ同じものが受け継がれてきています。金属製のものは素材として洋銀や銀などが使用されますが、音を出す方法の特徴から、分類としては木管楽器に属します。

次に、アルトフルートは、コンサートフルートと比較すると重さは2倍ほどあり、長さは1.5倍ぐらいになります。少し低めの音色を特徴とする楽器です。こちらは管弦楽で使われることが多いですが、それ以外にもジャズやポップスのような音楽でも使われる機会が多い特徴を持っています。この楽器はかつてはストレートタイプが主流でしたが、現在は長さの問題を解決するために頭部管のところがUの字になっているタイプが主流となっています。

続いて、バスフルートはアンサンブルやジャズのような音楽だけでなく、現代音楽でもよく使われています。こちらは重量の問題から、重くて横に構えられないので棒を縦にして支えるのが一般的です。

その他に、コントラバス・フルートと呼ばれる楽器もあります。こちらは読んで字のごとく、アンサンブルに於いてコントラバスと同じように低音部を担当する楽器です。サイズも大きく重量もあり、音域は2オクターブ低くなります。他の種類のものと比較すると、演奏しやすい特徴を持ち合わせているものの、キレイな音を出すのが少々難しく、構造の特性上どうしても空気の洩れる音がしやすいです。

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素材のバリエーションにも気を配ることが大切なファクター

フルートの種類は、素材によって分けることも可能です。この楽器は金属製のものがお馴染みになっていますが、木材やプラスチックを素材とするものもあります。

現在主流となっているのは洋銀制や総銀製のものですが、こちらも奏者のスキルによって大まかな使い分けがなされています。具体的には、白銅製のものは初心者、頭部菅が銀製で胴部管が白銅製のものは中級者、純銀製のものは上級者に多く使用されています。

この楽器を構成する部品の中でも、頭部菅は音のクオリティに大きな影響を及ぼします。どんな形で作られているのかが音質に大きな影響を与えていて、頭部管の中や息を吹き込む部分がどのようにカットされているのか、これによって音が決まるのも特徴です。

そのため、音質を変えるために自分好みの音を生み出すことを目的に、頭部管をいくつか買いそろえるという音楽家も少なくありません。

次に、プラスチック素材のものは比較的リーズナブルな価格で販売されており、気軽に購入することができます。こちらは初心者や小さな子どもが使用する場合に適している管楽器で、カラーのバリエーションが豊富に展開されているのも魅力的です。外見的にもポップな印象なので、ポップスを演奏したい場合などに利用してみるのも良いでしょう。

木製のものは、フルートが誕生した当時に主流となっていました。現在では金属製のものが広く普及していますが、木製のものは独特の温かみがある音を出すことができるので、愛好する人も少なからず存在します。

ただし、木製のものは音を出すために高度なスキルが必要になるだけでなく、販売価格が高くメンテナンスにも比較的多くの負担がかかるため、初心者にはあまりおすすめしていません。

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