フルートは、歌口の縁に息を当て、管の中の空気を振動させて音を出す木管楽器です。現在は金属製の楽器が主流ですが、材質ではなく発音のしくみによって木管楽器に分類されます。
一般に「フルート」と呼ばれるコンサートフルートはC管で、全長は約65〜67cm、重さは400g台が一つの目安です。足部管、キイシステム、素材によって寸法や重量は異なります。
この記事では、ピッコロ、コンサートフルート、アルトフルート、バスフルートなどの種類を、大きさ・音域・重さ・素材の違いから整理します。
| 種類 | 音域(フルートとの関係) | 全長の目安 | 重さの目安 | 主な使われ方 |
|---|---|---|---|---|
| ピッコロ | 1オクターブ高い | 約30cm | コンサートフルートより軽い | オーケストラ・吹奏楽(持ち替え) |
| コンサートフルート(C管) | 基準となる楽器 | 約65〜67cm | 400g台が一つの目安 | 独奏・室内楽・オーケストラ・吹奏楽 |
| アルトフルート(G管) | 完全4度低い | 約90cm前後 | コンサートフルートより大幅に重い | アンサンブル・管弦楽・独奏 |
| バスフルート(C管) | 1オクターブ低い | 管を伸ばすと約130cm | モデルによって1kgを大きく超える | フルートアンサンブル・現代音楽 |
このほか、Es管のソプラノフルート、フルート・ダモーレ、コントラバス・フルートなど、演奏機会の限られる種類もあります。
フルートは、リードを使わずに音を出す横笛です。歌口(うたぐち)と呼ばれる穴の縁に息を当てると、息の流れが分かれて管の中の空気が振動し、音が生まれます。この発音方式はエアリードと呼ばれます。
楽器の分類は、材質ではなく音の出し方によって決まります。金管楽器が唇の振動によって音を出すのに対し、フルートは唇そのものを振動させません。そのため、管体が銀や金でできていても、分類上は木管楽器に属します。
現在のフルートの原型は、19世紀にテオバルト・ベームが行った改良(1847年)にさかのぼります。音量・音程・運指を合理化するための試みのなかで、円筒形の管体と金属素材が採用され、これが現在の楽器の基本的な原型となりました。その後も改良は続いており、当時のままの姿というわけではありません。
誕生から現在に至るまでの流れは、フルートの歴史で詳しく扱っています。
現代のコンサートフルートは、頭部管・胴部管・足部管の3つに分かれます。息を吹き込む歌口があるのが頭部管、指で操作するキイが並ぶのが胴部管、最低音域を受け持つのが足部管です。持ち運ぶときは、この3つに分解してケースに収めます。
頭部管の内側にはテーパー(先細りの傾斜)があり、胴部管と足部管はおおむね円筒形です。管全体が同じ太さというわけではありません。
組み立てたコンサートフルートの全長は、おおむね65〜67cmです。ただし、足部管の種類によって長さは変わります。
足部管には2種類があります。最低音がド(C)までのC足部管と、半音低いシ(H)まで出るH足部管です。H足部管はその分だけ長く、重くなります。
出せる音の範囲については、フルートの音域で詳しく解説しています。
コンサートフルートの重さは、400g台が一つの目安です。ただし、足部管の種類、キイシステム、素材によって異なり、これより軽いものも重いものもあります。
重さは、演奏の負担に直結します。軽ければよいというものでもありませんが、体格に対して重すぎる楽器は、腕や指に無理な力がかかる原因になります。楽器を選ぶ際は、構えた姿勢を保てるかどうかを実際に確かめることが大切です。
同じフルート族では、一般に有効管長が長い楽器ほど低い音域を、短い楽器ほど高い音域を担当します。ただし、実際の音高や吹奏感は、管の形状や音孔の位置、頭部管の設計などにも左右されます。管の長さだけで決まるわけではありません。
全長は約30cmと、コンサートフルートのおよそ半分です。名称はイタリア語で「小さい」を意味するpiccoloに由来します。同じ運指でフルートより1オクターブ高い音が出るため、オーケストラや吹奏楽では、フルート奏者が持ち替えて演奏することが多くあります。ただし、編成や作品によって扱いは異なります。
明るく鋭い音色でよく通り、合奏のなかでも埋もれません。管体には木製(グラナディラなど)と金属製があり、木製が選ばれることも少なくありません。
私たちが最も目にする、基準となる楽器です。独奏・室内楽・オーケストラ・吹奏楽と活躍の場が広く、明るく軽やかな音色に特徴があります。記譜と実際に鳴る音の高さが一致するC管の楽器です。
全長は約90cm前後で、コンサートフルートより大幅に重くなります。フルートより完全4度低い音が出るG管の楽器で、落ち着いた、やや翳りのある音色を持ちます。管弦楽やアンサンブルのほか、映画音楽などでも用いられます。
頭部管にはストレートのものとU字型のものがあり、体格や手の大きさ、構えやすさによって選ばれます。
管を伸ばすと約130cmに達し、重さはモデルによって1kgを大きく超えます。頭部管はU字型に曲げられており、フルートと同じ運指で1オクターブ低い音が出ます。
重量があるため横に構え続けるのが難しく、支持具などで支えて演奏することが一般的です。フルートアンサンブルや現代音楽で、柔らかく深い低音を受け持ちます。
Es管のソプラノフルートは、フルートより短3度高い楽器です。指定されている作品が多くないため、演奏される機会は限られています。A管のフルート・ダモーレは、コンサートフルートとアルトフルートの中間の音域を持ちます。コントラバス・フルートは、フルートの2オクターブ下を担当する大型の楽器で、床置きや支持具の使用を前提とします。
ピッコロやアルトフルートのように、記譜と実際に鳴る音の高さが異なる楽器を移調楽器と呼びます。
入門向けのフルートには、白銅や洋銀に銀メッキを施したモデルがあります。白銅は銅とニッケルの合金(キュプロニッケル)、洋銀は銅とニッケルに亜鉛を加えた合金(洋白・ニッケルシルバー)で、いずれも別の金属です。どちらを用いるかはメーカー・モデルによって異なり、管体とキイで材質を使い分けている製品もあります。
| 素材・構造 | 主な特徴 |
|---|---|
| 白銅・洋銀+銀メッキ | 入門モデルなどに用いられる。耐久性を考慮した製品が多い |
| 頭部管銀製 | 頭部管に銀を用い、管体には別の合金を用いる構成 |
| 管体銀製・総銀製 | 銀を使用する範囲やキイの材質はモデルにより異なる |
| 金・プラチナ | 比重が大きく、重量や吹奏時の抵抗感が変わる |
| 木製 | グラナディラなどを用いた木製フルートがある |
| 樹脂製 | 学習用・持ち運び用途などを想定した製品もある |
素材によって重量や吹奏感は変わりますが、音色は素材だけで決まるものではありません。頭部管の形状、管体の厚さ、キイ構造、そして奏者の息の使い方などが組み合わさって、楽器の響きが生まれます。
素材ごとの価格の目安は、フルートの値段で扱っています。
頭部管の内部テーパー、歌口の大きさや形、エッジのカットは、息の入り方、音の立ち上がり、吹奏時の抵抗感に大きく関わります。管体とは別に頭部管だけを選び直す奏者がいるのも、このためです。
ただし、頭部管だけで楽器全体の音が決まるわけではありません。息の速度や角度、唇の使い方が変われば、同じ頭部管でも鳴り方は変わります。楽器の変更を検討する前に、自分の息がどのように当たっているかを確かめることが先決です。
頭部管だけを使った音出しを含む練習の進め方は、フルートの上達方法で扱っています。
初めて学ぶ場合は、一般にC管のコンサートフルートから始めます。ピッコロもアルトフルートも、コンサートフルートを土台とした持ち替え楽器として発展してきました。運指も、音の作り方も、まずここから始まります。
ただし、体格が小さい場合は、腕や肩へ無理がかからないよう、U字型・湾曲型の頭部管を持つモデルを検討することもあります。無理な姿勢のまま続けることは、身体にも音にもよい結果をもたらしません。
選ぶ際に確認したい点を挙げます。
カバードキイとオフセットGは、音孔をふさぎやすく自然な手の形を取りやすい構造として、入門者向けのモデルで広く採用されています。
素材や価格から先に決めるのではなく、身体に合うかどうか、そして長く手入れを続けられるかどうかを先に確かめる。そのうえで、いま出したい音と、これから出したくなる音を考える——この順序が、結果として遠回りになりません。実際に試奏し、指導者や専門店と相談して選ぶことをおすすめします。
楽器の分類では木管楽器です。管体が金属でできていても、歌口の縁に息を当てて音を出すため、木管楽器に属します。また、一般に「フルート」と呼ばれるコンサートフルートは、記譜と実音が一致するC管の楽器です。
ピッコロです。イタリア語のpiccolo(小さい)に由来し、フルート族のなかで最も小さく、フルートより1オクターブ高い音が出ます。
コンサートフルートで400g台が一つの目安です。足部管の種類、キイシステム、素材によって異なります。
組み立てた状態で約65〜67cmです。ピッコロは約30cm、アルトフルートは約90cm前後、バスフルートは管を伸ばすと約130cmほどになります。
数え方に統一された基準はありません。現在よく使われるのは、ピッコロ、コンサートフルート、アルトフルート、バスフルートの4種類です。このほか、Es管のソプラノフルート、フルート・ダモーレ、コントラバス・フルートなどがあります。
現在一般的に使われるフルート族では、ピッコロが最も小さい楽器です。より高い音域の楽器が試作された例はありますが、演奏される機会はほとんどありません。
フルートの種類は、有効管長の違いとして整理すると理解しやすくなります。ピッコロは約30cm、コンサートフルートは約65〜67cm、アルトフルートは約90cm前後、バスフルートは管を伸ばすと約130cm。長くなるほど、担当する音域は低くなります。
素材もまた、重量や吹奏感に影響します。ただし、響きを最終的に形づくるのは楽器そのものではなく、そこに吹き込まれる息です。
楽器の違いを知ることは、自分がどのような音を出したいのかを知ることでもあります。実際に音を出しながら確かめていく時間そのものが、フルートを学ぶ楽しさにつながっていきます。

当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」