クラシックギターを習おうと決めたとき、次に迷うのが教室選びです。
教室によって、講師の専門分野もレッスンの進め方も、料金の考え方も異なります。最初に確認しておきたいのは、次の4点です。
この記事では、教室の種類、選ぶ基準、料金の考え方、体験レッスンで確認したいことまでを整理します。
なお、楽器そのものの選び方はクラシックギターの選び方で、練習の進め方はクラシックギター初心者の練習方法で扱っています。
独学でも始められる楽器ですが、教室に通うことで得やすいものがあります。
その場で音を確認してもらえる
クラシックギターの音は、右手の角度、爪や指先の使い方、左手の形によって変わります。これらは演奏中に自分で客観的に確認しにくい部分です。講師がその場で聴き、見て、指摘できることが、教室の大きな利点です。
進む順序を組み立ててもらえる
いま身についている技術に対して少しだけ難しい課題を選び続けることが、上達につながります。その見極めには経験が要ります。
演奏する機会がある
発表会やアンサンブルは、一人では機会をつくりにくいものです。人前で弾く経験は、技術と音楽性の両方に影響します。
独学とレッスンの比較は、クラシックギターは独学できる?で詳しく整理しています。どちらか一方を選ぶ必要はなく、独学で進めながら節目で教室を利用する方法もあります。
ひと口に音楽教室といっても、運営の形はさまざまです。小林洋子ほか『音楽教育のススメ 改訂版』(幻冬舎)では、音楽教室を次のように分類しています。
以下は一般的な傾向です。同じ分類でも、教室や講師によって運営方法・指導内容は異なります。
| 分類 | 一般的な特徴 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 大手楽器メーカー系 | 教材や運営方式が体系化されている場合があります | 講師ごとの指導方針、個別対応の範囲 |
| 楽器店系 | 楽器の購入やメンテナンスと相談窓口をまとめやすくなります | クラシックギター専門講師の有無、カリキュラム |
| 音楽学校系 | 専門教育や進学に対応する場合があります | 趣味目的への対応、対象年齢、受講条件 |
| 独立系 | 独自の教育理念や運営方針を持ちます | 指導体制、講師変更時の継続性、運営実績 |
| 個人系 | 講師と直接相談しながら進めやすくなります | 休講時の対応、発表の機会、契約条件 |
| オンライン系 | 場所を選ばず受講しやすくなります | 音質・映像環境、手や姿勢の確認方法 |
クラシックギターの場合、開講している教室そのものが多くありません。ピアノやヴァイオリンに比べ、選択肢は限られます。そのぶん、通いやすさだけでなく、クラシックギターを教えられる講師がいるかどうかを優先して探す必要があります。
| 項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 講師の専門性 | クラシックギターの演奏歴・指導歴、学んできた専門領域、初心者や子どもの指導経験 |
| 指導方針 | 基礎から段階的に積み上げるのか、弾きたい曲から入るのか。自分の目標と合うか |
| レッスン形態 | 個人レッスンかグループか。クラシックギターは奏法の細部を確認する必要があるため、個人レッスンが選ばれることが多くなります |
| 時間と頻度 | 1回あたりの時間、月あたりの回数、振替の可否。続けられる無理のない設定か |
| 料金体系 | 入会金・月謝・設備費・教材費・発表会費のうち、何が含まれるか |
| 運営体制と継続性 | 休講・代講・担当講師の変更時にどう対応するか。相談窓口があるか。振替・休会・退会のルールが明確か |
| 発表の機会 | 発表会やアンサンブルがあるか。人前で弾く目標があると練習が続きやすくなります |
| アクセス | 通い続けられる距離か。移動時間は継続に直接影響します |
とくに見落とされやすいのが運営体制と継続性です。講師個人の技量とは別に、教室として学びを支える仕組みがあるかどうかは、数年単位で通うことを考えると大きな差になります。担当が変わったとき、これまでの課題や進度が引き継がれるか。急な休講にどう対応するか。こうした点は、入会前に確認しておく価値があります。
クラシックギター教室を選ぶことは、単に料金や通いやすさを比べることではありません。どのような音に耳を澄ませ、どのような作品と出会い、どのように学び続けたいかを考えることでもあります。講師や教室の方針が、自分の目指す音楽と合っているかを確かめることが大切です。
料金は教室によって幅があり、一律の相場を示すことは適切ではありません。確認すべきは金額そのものより、何が含まれているかです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入会金 | 入会時に一度だけ |
| 月謝(レッスン料) | レッスン時間・回数によって変わります |
| 設備費・管理費 | 教室の維持にかかる費用。月謝に含まれる場合もあります |
| 教材費 | 教則本・楽譜など |
| 発表会費 | 参加する場合のみ。会場の規模によって異なります |
料金を比べるときは、同じレッスン時間・年間回数に条件をそろえ、入会金、設備費、教材費、発表会費などを含めた年間の負担を確認します。単価だけでなく、振替制度、相談体制、発表の機会など、料金に含まれる内容もあわせて見ておくことが大切です。
料金体系の一例はレッスン料金等の体系についてをご覧ください。
体験レッスンは、ホームページだけでは分からない点を確認できる重要な判断材料です。無料か有料かは教室によって異なります。料金だけでなく、時間、内容、担当講師、入会後のレッスンとの違いを事前に確認しましょう。
質問したいことは、事前に書き出していくことをおすすめします。その場では、思っていたことを聞き忘れがちです。
大人から始める場合
年齢を理由にためらう必要はありません。確認したいのは、固定曜日制かフリー制か、仕事や家庭と両立できる時間帯と頻度か、自宅に練習できる環境があるか、目標とする曲におおよそどのくらいかかるか、という点です。振替の柔軟さは、継続に直結します。
子どもが習う場合
年齢だけでなく、身長、腕の長さ、手の大きさに合う弦長やボディーサイズを確認します。分数サイズや弦長の短いクラシックギターが選択肢になることもあります。実際に構えた姿勢を、講師や専門店で確認すると安心です。
あわせて、子どもの指導経験があるか、保護者への説明がどのように行われるか、レッスン時間が集中できる長さか、家庭での練習にどのような助言があるか、そして子ども本人の意思を尊重してくれるかを確認してください。
クラシックギターを開講している教室は多くありません。楽器店やインターネットで探すほか、クラシックギターを専門科目として掲げている音楽教室を探すのが確実です。
教室によって異なります。無料の教室もあれば、有料の教室もあります。有料か無料かだけで判断せず、時間、内容、担当講師、説明を受けられる範囲を確認しましょう。
貸出の有無や条件は教室によって異なります。楽器を持っていない場合は、申し込み前に確認しましょう。
クラシックギターでは、ナイロン弦と右手の指を用いる奏法が中心になります。構え方、右手の使い方、学ぶレパートリーがほかのギターとは異なるため、クラシックギターの指導経験を持つ講師がいるかを確認しましょう。
教室によって幅があり、一律の相場は示せません。レッスン時間・回数・設備費の有無によって実質的な負担が変わるため、同じ条件にそろえたうえで、年間の総額で比べることをおすすめします。
クラシックギター教室を選ぶときに確認したいのは、講師の専門性、指導方針、レッスン形態、時間と頻度、料金体系、運営体制と継続性、発表の機会、アクセスの8点です。
この8点の優先順位は、何を目指すかによって変わります。趣味として長く楽しみたいのか、正確な奏法を身につけたいのか。まずそこを言葉にすることが、教室選びの出発点になります。
迷ったら、体験レッスンを受けてみてください。ホームページでは分からないことが、一度のレッスンでかなり見えてきます。
小林音楽教室では、新宿・麻布・田町/三田・船堀の各教室でクラシックギタークラスをご案内しています。当教室の体験レッスンは有料です。実施時間・料金・開講状況は変更される場合があるため、最新の情報はクラシックギタークラスの案内でご確認ください。

当教室主宰の著書「音楽教育のススメ(幻冬舎)」