絶対音感と相対音感は何が違う?比較表でわかる特徴と身につけ方

モダンな日本の部屋でグランドピアノに向かう幼児

絶対音感とは、基準となる音がなくても、聞こえた音の高さを音名として認識できる能力です。相対音感とは、基準の音と比べることで音の高さや音程の関係を捉える能力です。最大の違いは習得しやすい時期にあります。絶対音感は一般に乳幼児期から幼少期(およそ6歳頃まで)にかけての訓練で定着しやすいとされているのに対し、相対音感は年齢を問わず習得・向上させることができます。

絶対音感と相対音感の5つの違いをまとめた比較図

絶対音感と相対音感の違いをくわしく解説

絶対音感とは

絶対音感とは、ドアのノック音や車のクラクション、鳥の鳴き声など、日常のあらゆる音を「これはレの音」「これはソの音」と、基準音なしに瞬時に音名で認識できる能力です。音楽の場面では、聴いた旋律をそのまま譜面に書き起こしたり、楽器の音程を即座に判断したりすることが可能です。

この能力が特別とされる理由のひとつは、習得しやすい時期が乳幼児期から幼少期にかけてとされていることです。脳の可塑性が高い幼少期のうちに音楽的な刺激を継続して与えることで定着しやすくなり、この時期を過ぎると定着しにくくなるとされています。なお、絶対音感は単音だけでなく、訓練が進むと重音や和音の構成音を聴き分ける力にもつながります。一度身についた絶対音感は、大人になっても持続するとされています。

相対音感とは

相対音感とは、「基準となる音を示してもらったとき、その音との関係から他の音を判断する」能力です。たとえばピアノで「ド」の音を鳴らしてもらえれば、そこから「ミ」「ソ」がどこにあるかを把握したり、メロディーの音程関係を聴き取ったりすることができます。

相対音感は、プロの演奏家や作曲家の多くが演奏・制作に活用している実践的な音感です。絶対音感とは異なり、年齢を問わず訓練によって習得・向上させることができます。相対音感は、音程の幅、和音の響き、調の中心感などを聴き取る訓練によって育てていくことができます。ソルフェージュや聴音、アンサンブル経験など、さまざまなアプローチで磨いていける力です。幼少期に絶対音感を身につけられなかった場合でも、相対音感を着実に育てることで音楽表現や演奏力を高めていくことは十分に可能です。

絶対音感と相対音感、どっちが必要?優劣ではなく「役割」が違う

「絶対音感と相対音感、どちらがすごいのか」「どちらを身につけるべきか」という疑問はよく聞かれます。ただ、この二つは優劣で比べるものではなく、それぞれ役割が異なる音楽的な能力です。

絶対音感は、単独の音を素早く正確に把握する力です。採譜や初見演奏に有利になる場面がある一方で、音楽活動に必ず必要というわけではありません。相対音感は、音と音の関係を捉えてハーモニーをつくったり、アンサンブルで周囲の音に合わせたりするための実用的な力で、多くの演奏家が日常的に使っています。

重要なのは「どちらが上か」ではなく、今の時期にどちらを伸ばせるかです。乳幼児期のうちなら絶対音感を育てる機会があります。それ以降は相対音感を着実に高めていく道があります。どちらの音感も、音楽を深く楽しむための大切な力です。

絶対音感は何歳まで?習得に時期が重要な理由

「絶対音感はいつまでに身につければいい?」という疑問を持つ保護者の方は多くいます。絶対音感の習得において何より大切なのが時期です。脳の発達の特性から、この能力が定着しやすいのは一般に乳幼児期から幼少期にかけてとされています。年齢が低いうちから適切なレッスンと継続的な訓練を積むことで、習得の可能性が高まります。

後天的な訓練で向上させることができる相対音感とは異なり、絶対音感の場合はこの時期のレッスンと訓練が欠かせません。絶対音感に関心がある場合は、お子さんの年齢や発達段階に合わせて、早めに適切な環境を整えてあげることが大切です。

絶対音感の習得方法

絶対音感を育てるレッスンは、次のような段階を踏んで進んでいきます。

  • まずピアノを使って基礎となる和音を繰り返し聴かせ、音の響きを記憶させることから始めます。
  • 和音の響きに慣れてきたら、和音を単音に分けて判別する練習へと段階的に進んでいきます。
  • 個々のペースに合わせやすいマンツーマンの個人レッスンが効果的とされています。
  • 毎日継続して訓練を行うことが、定着を支えるうえで重要です。短時間でも、途切れさせないことが大切です。

集中力と継続が求められるため、無理のないペースで取り組める環境を整えることが大切です。保護者の方の温かいサポートが、お子さんの習得を大きく支えます。

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相対音感は何歳からでも伸ばせる

「音感がないと音楽は難しい」と感じている方もいるかもしれません。しかし相対音感は、大人になってからでも後天的に習得・向上させることができます。音楽を始めたい大人の方や、楽器を再開したいと考えている方にとって、これは大切な事実です。

実際に、演奏家や作曲家として活躍している方の多くが、相対音感を軸に高い音楽表現を実現しています。絶対音感がなくても、正しい訓練を積み重ねることで音楽における実践的な聴音力と表現力は着実に育ちます。音楽に向き合う姿勢と継続が、年齢を超えて力になります。

音感が役立つ場面

絶対音感は、聴こえた音を音名として捉えやすいため、採譜や耳コピー、作曲時の記譜、楽器の音程確認などで助けになる場面があります。特にヴァイオリンや声楽のように自分自身で音程を作る必要がある分野では、出した音の高さを確認する一つの支えになります。作曲・編曲においても、頭の中に浮かんだ旋律や和音を音名として捉え、譜面に落とし込みやすくなる場面があります。一方で、実際の演奏では、周囲の音との調和や和声のなかで音をどう響かせるかも重要です。絶対音感と相対音感は、それぞれの場面で補い合うものです。

音感のスキルは、音楽に関わるさまざまな場面で力を発揮します。特に次のような方には、音感を意識的に育てておくことが大きな助けになります。

  • 演奏家として活動したい方
    楽器の音程確認や他の奏者との音合わせには、音の高さを正確に聴き取る力が欠かせません。相対音感があることで、アンサンブルの場面でも周囲の音に柔軟に対応できるようになります。
  • 作曲・編曲に取り組みたい方
    和音のバランスを判断したり、音の重なりを設計したりするうえで、音程の関係を耳で把握できる相対音感は大きな武器になります。
  • 歌手・声楽を学んでいる方
    正確な音程は声楽の基本です。相対音感を継続して鍛えることで、ピッチの安定と音楽的な表現力が向上します。

絶対音感があっても相対音感が中心であっても、音楽の楽しさは変わりません。音感は訓練によって磨き続けることができる力です。大切なのは、今の自分にできる方法で、音楽と向き合い続けることです。

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